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name: beachhead-plan
description: 初期の熱心な顧客はついたのに多数派の買い手に売れない新しい商品について、ジェフリー・ムーア『キャズム』（Crossing the Chasm）の考え方でビーチヘッド（最初に取り切る狭い市場）を1つ選ぶ。候補の市場を採点し、対象の顧客と買う切実な理由を書き、売り込む前に埋めるホールプロダクトの穴を並べ、ポジショニングの文の下書きと次に広げる隣の市場まで決める。「ビーチヘッド市場」「キャズム越え」「どのニッチから攻めるか」「GTM の集中先」「アーリーアダプターとアーリーマジョリティ」「ホールプロダクト」「最初の顧客のあと売上が止まった理由」を聞かれたときに使う。
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# ビーチヘッド計画

アーリーアダプターは、新しい商品を将来性で買い、足りないところは我慢する。多数派の買い手である実利主義者は、自分と同じ立場の人がすでに使っている証拠と、そのまま使える完成した解決策を求める。ジェフリー・ムーアは『Crossing the Chasm』（1991年。第3版は2014年。邦題『キャズム』）で、この2つの層のあいだの溝をキャズムと呼んだ。答えは、切実な問題を抱えた実利主義者の狭い市場を1つ選び、問題を解くのに要るものをすべてそろえ、その市場の大半を取り、その顧客を実績にして隣の市場へ移ること。本（第3版、HarperBusiness、2014年）はこれをノルマンディー上陸作戦（D デイ）にたとえる。1つの海岸を全力で取り、そこから内陸へ進む。

## 使う場面

- 熱心な初期の顧客が何社かいるのに、ほかへの販売は遅く、毎回特別対応になっている。
- 来た引き合いを全部追いかけていて、だれのための商品かを言えない。
- 発売、採用計画、マーケティング予算を決める前に、まずどこに集中するかを決めたい。
- 業界全体の収益性の分析には使わない（five-forces-analysis を使う）。ポジショニングの文言を仕上げるのにも使わない（ビーチヘッドを決めたあとに positioning-statement を使う）。そもそも欲しい人がいるかを試すなら build-measure-learn を使う。

## 用意するもの

- 商品が今できること、まだできないこと。
- 今の顧客: だれか、なぜ買ったか、何に使っているか、どうやって知ったか。いちばん大事な情報。なければ一度だけ聞き、それでもなければ「[仮定]」と書く。
- チームが考えている候補の市場（業種、職種、使い道、規模、地域）と、それぞれについてわかっている事実: 届く買い手の数、予算、買い方、だれと情報を交わしているか。
- 会社がとくに得意なこと、提携先。
- 市場の大きさ、予算、受注率はけっして作らない。わからないところは「[要確認: ...]」と書く。

## 手順

1. **採用の曲線のどこにいるかを見る。** ムーアのライフサイクルは、イノベーターとアーリーアダプター（将来性で買うビジョナリー）から、アーリーマジョリティ（実績のある解決策を買う実利主義者）へ、さらにレイトマジョリティとラガードへと続く。今の顧客から、これまでだれが買ったか、伸び悩みがキャズムに見えるかを書く。キャズムの兆しは、受注が熱心な人や単発の案件から来ていて、1つの市場での繰り返しの購入から来ていないこと。
2. **候補の市場を3〜8つ挙げる。** その中の人同士が知り合いで、話をするくらいまで狭く定義する。ある地域の、ある種類の会社の、ある職種で、使い道は1つ。「医療」は市場ではない。「大阪府の個人歯科医院の受付・会計担当」なら市場になる。
3. **候補を採点する。** 1〜5で採点する項目は、問題の切実さ（今すぐ買う切実な理由があるか）、予算とはっきりした買い手がいるか、ホールプロダクトをすぐにそろえられるか、届けられるか、仲間内で話が回るか（紹介が広がるか）、大きさ（主導権を握れて、しかも取る価値があるか）、強い競合がすでに押さえていないか、ほかの市場への入り口になるか。点数は表にし、推測でつけた点には「[要確認]」をつける。
4. **ビーチヘッドを1つに決める。** 切実な問題があり、点のいちばん高い市場を選び、次点がなぜ落ちたかを書く。対象の顧客を1行で書く: だれで、今何がうまくいっておらず、それにどう対処しているか。買う切実な理由は顧客の言葉で書く。何もしないと失うもの、として書く。
5. **ホールプロダクトの穴を書き出す。** 製品そのものだけでなく、対象の顧客が成果を得るのに要るものをすべて並べる: 導入、連携、研修、サポート、データの移行、テンプレート、法令・規格への対応、設置してくれる提携先。それぞれを、持っている・提携・つくる・やめる、に分け、担当者を決める。実利主義者は足りない部品を自分で集めない。
6. **ポジショニングの文を下書きする。** ムーアの本には、空欄を埋めるポジショニングの文の型がある。対象の顧客、その問題、製品の分類、主な効果、顧客がふだん使う代わりの手段、そして違い。ビーチヘッド向けに1つ、顧客の言葉で書く。仕上げは positioning-statement に渡す。
7. **次の市場と決めたことを書く。** 顧客か使い道がビーチヘッドと重なる隣の市場を2〜3つ、順番つきで並べる。最後に、チームがやめること（ビーチヘッドの外の引き合いはていねいに断るか順番待ちにする）、担当者と期日つきの最初の行動、ビーチヘッドを取れたと言える市場シェアの目標を書く。

## 出力の形式

```markdown
# ビーチヘッド計画: [商品]

**担当:** [名前] · **作成日:** [日付] · **決める期日:** [日付]

## 採用の曲線のどこにいるか
[これまでだれが買ったか。なぜキャズムに見える、または見えないか。]

## 候補の市場（1 = 弱い、5 = 強い）
| 市場 | 切実な問題 | 予算と買い手 | ホールプロダクトがすぐそろう | 届けやすさ | 仲間内の口コミ | 大きさの合い方 | 競合が弱い | 次につながる | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|

## ビーチヘッド
**市場:** [狭い定義]
**対象の顧客:** [だれか、今何がうまくいっていないか、どう対処しているか]
**買う切実な理由:** [何もしないと失うもの。顧客の言葉で]
**[次点] を選ばない理由:** [理由]

## ホールプロダクトの穴
| 要るもの | 状態（持っている / 提携 / つくる / やめる） | 担当 | 期日 |
|---|---|---|---|

## ポジショニングの文（下書き）
[問題] に困っている [対象の顧客] のための、[主な効果] [分類]、それが [商品]。[主な代わりの手段] とちがい、[主な違い]。

## 次の市場
1. [市場] — [顧客 / 使い道] が重なる
2. [市場] — [顧客 / 使い道] が重なる

## 決めたこと
- やめること: [何を]
- 最初の行動: [行動、担当、期日]
- ビーチヘッドを取れたと言える状態: [市場シェア、紹介事例]
```

## 例

**入力:** 「SMS の予約リマインダーつきの予約ソフトをつくっています。有料の顧客は40件。整体・理学療法の院が14、美容室が9、トリミングサロンが8、そのほか9です。院は1つの業界団体の会報で知って入ってきた人たちで、1枠45分を療法士1人で見るので、無断キャンセルの痛手が大きいと言います。美容室はよく解約し、無料のツールと比べてきます。院からは、保険請求用のメモ機能と、院内の管理ソフト『クリニックリンク』との連携を求められていますが、どちらもありません。うちの強みは、患者が返信するだけで予約を確定できるリマインダーです。営業は2人です。」

**出力:**

```markdown
# ビーチヘッド計画: SMS リマインダーつきの予約ソフト

**担当:** [要確認: 担当] · **作成日:** [日付] · **決める期日:** [日付]

## 採用の曲線のどこにいるか
顧客40件が複数の業種に散らばり、取り切った市場はまだない。整体・理学療法の院は1つの業界団体の会報から入ってきており、同じ経路を共有している [要確認: 院どうしで紹介し合っているか]。ほかはばらばら。キャズムの手前に見える。

## 候補の市場（1 = 弱い、5 = 強い）
| 市場 | 切実な問題 | 予算と買い手 | ホールプロダクトがすぐそろう | 届けやすさ | 仲間内の口コミ | 大きさの合い方 | 競合が弱い | 次につながる | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 個人の整体・理学療法の院 | 5 | 4 [要確認] | 3 | 5 | 5 [要確認] | [要確認] | [要確認] | 4 [要確認] | [要確認] |
| 美容室 | 3 [要確認] | 2 [要確認] | 4 [要確認] | 3 [要確認] | 3 [要確認] | [要確認] | 2 [要確認] | 3 [要確認] | [要確認] |
| トリミングサロン | 3 [要確認] | 3 [要確認] | 4 [要確認] | 2 [要確認] | 2 [要確認] | [要確認] | [要確認] | 2 [要確認] | [要確認] |

## ビーチヘッド
**市場:** 個人の整体・理学療法の院 [要確認: 地域]
**対象の顧客:** 患者が来ないと45分の枠が空いてしまう院の院長。今は [要確認: 無断キャンセルに今どう対処しているか]。
**買う切実な理由:** 無断キャンセル1件ごとに、療法士1人の45分の枠が失われる [要確認: 直前に空いた枠を埋められるか]。
**美容室を選ばない理由:** 美容室は無料のツールと比べ、よく解約する。問題の切実さが低い。

## ホールプロダクトの穴
| 要るもの | 状態 | 担当 | 期日 |
|---|---|---|---|
| 返信で確定できるリマインダー | 持っている | — | — |
| クリニックリンクとの連携 | つくる、または提携 [要確認] | [要確認] | [要確認] |
| 保険請求用のメモ | つくる [要確認: 範囲] | [要確認] | [要確認] |
| 今の患者名簿の移行を手伝う導入支援 | [要確認] | [要確認] | [要確認] |

## ポジショニングの文（下書き）
無断キャンセルで45分の枠を失っている個人の整体・理学療法の院のための、患者が SMS に返信するだけで予約を確定できる予約管理、それが [商品]。[要確認: 院が今している無断キャンセルへの対処] とちがい、[要確認: 今の院で測った無断キャンセルへの効果]。

## 次の市場
1. 1枠を1人が担うほかの施術院（カイロプラクティックなど）[要確認] — 使い道が重なる
2. 大きめの理学療法グループ [要確認] — 顧客が重なる

## 決めたこと
- やめること: 美容室とトリミングサロン向けの個別対応。整体・理学療法の外の新しい引き合いは順番待ちに回す。
- 最初の行動: クリニックリンクとの連携をつくるか提携するかを決める（[要確認: 担当、期日]）。14の院に紹介事例を頼む。
- ビーチヘッドを取れたと言える状態: [要確認: 地域で届く院のうちのシェア、紹介事例になってくれる院の数]
```

## 送る前のチェック

- [ ] どの候補の市場も、その中の人同士が話をするくらいに狭い。
- [ ] ビーチヘッドはちょうど1つで、次点が落ちた理由がある。
- [ ] 買う切実な理由は、機能ではなく、何もしないと失うものになっている。
- [ ] ホールプロダクトの穴のすべてに、状態と担当者がある。
- [ ] 点数、大きさ、予算は入力から取っているか、「[要確認]」がついている。
- [ ] 最後に、チームがやめることと最初の行動がある。

## よくある失敗

- いちばん大きな市場を選ぶ。主導権を握れない大きな市場では実績が生まれない。取り切れる市場を選ぶ。
- 「念のため」ビーチヘッドを2つ選ぶ。力が割れて、どちらも取れない。
- 実利主義者に製品だけを売る。足りない部品があると商談が止まる。
- ビジョナリーの望みに合わせてポジショニングする。実利主義者は、今使っている代わりの手段と比べて買う。
- いつまでもビーチヘッドにとどまる。取れたら隣の市場へ進む。
