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name: know-enemy-and-yourself
description: 『孫子』の「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」の考え方で、自社と名前を挙げた競合1社を両側から比べる。始計篇の五事と七計（道・天・地・将・法）で並べ、すべての事実に出どころを書き、わからない所は「不明」と書いたうえで、実際にどれだけ知っているか、どこで戦い、どこを避け、何から調べるかを決める。「競合分析」「X社にどう勝つか」「1対1の比較」「孫子の兵法をビジネスに使うフレームワーク」「彼を知り己を知れば」「この市場でこの競合と戦うべきか」と頼まれたときに使う。know your enemy、Art of War でも使う。
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# 彼を知り己を知る

『孫子』（孫子兵法）は中国の兵法書で、伝統的には春秋時代の末の将軍、孫武（孫子）の作とされる（伝統的な生没年は紀元前544〜496年）。立命館大学の研究者は、書かれた考え方を紀元前5世紀ごろのものとしている。成立の時期と作者には議論があり、多くの研究者は本文を戦国時代のものとし、1人の作ではなく孫子のまわりの学派の作と読む。いちばん知られた一節は第3篇（謀攻篇）の結びにある: 知彼知己，百戰不殆。このスキルの訳では「相手を知り、自分を知っていれば、百回戦っても危うくない。自分を知っていても相手を知らなければ、一度勝って一度負ける。どちらも知らなければ、戦うたびに危うい」。約束しているのは勝ちではなく、危うくないこと。そして自分を知ることを仕事の半分としている。このスキルはこれを手順にする。本そのものの項目で自社と競合1社を比べ、わからない所に印をつけ、どこで戦い、どこを避け、動く前に何を調べるかを選ぶ。このスキルの漢文の訳は、すべて原文からこのスキルで訳したもの。

## 使う場面

- 名前のある競合が商談、レビュー、顧客との会話に何度も出てきて、その強さについてチームの意見が割れている。
- すでに1社が地盤を持っている市場、地域、チャネルに入る前。
- 競合が反応しそうな価格、パッケージ、発売を決める前。
- 競合の商品にはくわしいのに、自社の弱いところをきちんと見ていないとき。
- 営業が商談で使う1枚のカードには使わない（competitor-battlecard を使う）。受注・失注の理由の分析にも使わない（win-loss-analysis を使い、その結果をここに持ってくる）。業界全体の収益性の判断にも使わない（five-forces-analysis を使う）。

## 用意するもの

- 勝負の場: 両社がどの顧客、市場を取り合っているか。この比較が支える判断。なければ一度だけ聞き、それでもなければ「[判断: 要確認]」と書く。
- 競合の名前と公開されている事実: サイト、料金ページ、更新履歴、求人、レビュー、資金調達のニュース。ブラウズできないなら、ユーザーに貼ってもらう。
- 自社についての事実を、相手と同じくらい正直に: 受注・失注の記録、解約の理由、チームの人数、手元資金でもつ期間、顧客がほめること、不満に思うこと。
- どちらについても、数字や事実をけっして作らない。わからない事実は「不明」と書き、調べ方を「[要確認: ...]」で添える。

## 手順

1. **勝負の場と判断を書く。** それぞれ1文で。両社がだれを取り合っているか（「大阪で1〜3店舗を持つ個人経営のカフェ」）、何を決めるか（「今期、仕入れ先への発注機能を出すか」）。勝負の場が決まっていない比較は、機能の一覧になってしまう。

2. **両社の根拠を、出どころと日付つきで集める。** どの事実にも印をつける: [サイト]、[料金ページ]、[レビュー]、[受注・失注]、[インタビュー]、[社内]、[未確認]。相手について集めるのと同じ種類の事実を、自社についても集める。相手のサイトに書いてある主張は、主張があることの根拠であって、結果の根拠ではない。

3. **五事で比べる。** 『孫子』の第1篇（始計篇）は、戦う前に5つのこと、道・天・地・将・法を量る。それぞれについて、両社のわかっていること、出どころ、どちらが有利か（または「不明」）を書く:
   - **目的（道）:** 本文では、民が君主と志を同じくし、危険のなかでもついていくか。ビジネスでは、チームと顧客が自社の向かう先を支持しているか。継続率、紹介、社員の離職、顧客が自社をどう言うかを見る。
   - **時機と条件（天）:** 本文では、昼と夜、寒さと暑さ、季節。ビジネスでは、どちらにも動かせない条件。規制、プラットフォームの変化、買われる時期、景気など。これから来るものに、どちらがよく備えているか。
   - **地形（地）:** 本文では、高い低い、遠い近い、険しい平ら、広い狭い、そして軍の生死を分ける地（死生）。ビジネスでは、両社がぶつかる市場、チャネル、乗り換えのコスト。どちらが顧客に近く、どちらの地盤か。
   - **指導者（将）:** 本文は、智・信・仁・勇・厳を挙げる。ビジネスでは、判断の質と、創業者や管理職のこれまでの実績。経歴ではなく行動から判断する。
   - **組織の回り方（法）:** 本文では、編成、役割、物資と費用の管理。ビジネスでは、会社の組み方、出荷の速さ、コストの構造、手順が実際に回っているか。

4. **七計で採点表をつくる。** 同じ篇は、両者を比べる7つの問いを挙げる。このスキルの訳では、どちらの君主に道があるか、どちらの将が有能か、どちらが天と地の利を得ているか、どちらの法令が守られているか、どちらの兵力が強いか、どちらの兵がよく訓練されているか、どちらの賞罰が明らかか。それぞれを勝負の場の言葉に直し（たとえば「どちらのチームが約束どおりに出荷するか」「どちらの評価のしくみが社員を顧客に向かわせるか」）、自社・相手・互角・不明のどれかと、出どころを書く。

5. **どれだけ知っているかを判定する。** 両社の「不明」の数を数える。次に、本文の3つの場合のどれに当たるかを書く。両方を知っている（ほとんどの行が出どころのある事実で埋まっている）、自分だけを知っている（自社の行は埋まっているが、相手の行はほとんど推測）、どちらも知らない（自社の行も推測）。どれに当たるかをはっきり書く。チームは3つ目の場合に当たると気づくことが多い。相手の機能は知っているのに、自社の解約理由はほとんど知らない。

6. **相手の実と虚を書き出す。** 第6篇（虚実篇）は、軍を水にたとえる。水は高い所を避けて低い所へ流れる。軍も実（充実した所）を避けて虚（手薄な所）を撃つ（避實而擊虛）。相手が実の所（根拠のある強み）と、虚の所（顧客が感じている穴、相手が手を抜いている市場、自分のやり方を壊さずにはできないこと）を並べる。虚の所それぞれに、自社の強みを1つ組み合わせる。埋められない穴は、攻めどころではない。

7. **戦う所と避ける所を決める。** 組み合わせごとに決める。戦う（相手の虚と自社の強みが、自社の知っている地形で重なる）、避ける（相手の実、または自社の事実が不明な地）、先に調べる（攻めどころに見えるが、不明な点に頼っている）。そのうえで、第3篇の勝ちの条件で選択を確かめる。このスキルの訳では、戦うべき時と戦うべきでない時を知る、大きな兵力と小さな兵力の使い方を知る、上と下が同じことを望む、備えて備えのない相手を待つ、有能な将に上が口を出さない。満たしていない条件があれば書く。

8. **調べる計画と判断を書く。** 判断を変えうる不明点を上から3つ選び、それぞれの調べ方（受注・失注のインタビュー、商品の分解、顧客への電話、公開資料）、担当、期日を書く。次に判断を書く。戦う、避ける、先に調べるのどれかと、見直しの日。最後は孫子のまとめではなく、次の行動で締める。

## 出力の形式

```markdown
# 彼を知り己を知る: [自社] 対 [競合]
**勝負の場:** [顧客や市場] · **判断:** [この比較が支えるもの] · **確認日:** [日付]

## 五事
| 項目 | 自社 | 相手 | 有利 | 出どころ |
|---|---|---|---|---|
| 目的（道） | [事実か不明] | [事実か不明] | [自社 / 相手 / 互角 / 不明] | [印] |
| 時機と条件（天） | | | | |
| 地形（地） | | | | |
| 指導者（将） | | | | |
| 組織の回り方（法） | | | | |

## 七計
| この勝負の場での問い | 有利 | 出どころ |
|---|---|---|
| [顧客と社員は、どちらの向かう先を支持しているか] | [自社 / 相手 / 互角 / 不明] | [印] |

## どれだけ知っているか
有利が不明な項目: 五事 [n] / 5、七計 [n] / 7
自社の不明点: [一覧] · 相手の不明点: [一覧]
場合: [両方を知っている / 自分だけを知っている / どちらも知らない] — [なぜかを1文で]

## 相手の実と虚
| 相手の点 | 実か虚か | 根拠 | 組み合わせる自社の強み |
|---|---|---|---|

## 戦う所、避ける所、先に調べる所
- **戦う:** [どこで] — [相手の虚 + 自社の強み + 地形] だから
- **避ける:** [どこを] — [相手の実か、自社の不明点] だから
- **先に調べる:** [どこを] — [不明点] しだい

満たしていない勝ちの条件: [なし、またはどれとその理由]

## 先に調べること
| 不明点 | 調べ方 | 担当 | 期日 |
|---|---|---|---|

## 判断
[戦う / 避ける / 先に調べる] — [1文]。見直しは [日付]。
```

## 例

**入力:** 「パントリー帳です。個人経営のカフェ向けの在庫管理ソフトをつくっています。競合はストックスタック。関西で1〜3店舗を持つカフェに売っています。決めたいこと: 正面から戦うために、今期、仕入れ先への発注機能をつくるべきか。事実: うちの価格は月2,900円、相手は月4,900円 [相手の料金ページ]。相手には発注機能があり、うちにはない [相手のサイト]。レビューサイトのストックスタックの直近のレビュー20件のうち6件が、サポートの返事が『2日以上』かかると書いている。うちの受注・失注の記録: 1店舗のカフェでは相手との商談9件中7件で勝ち、3店舗のカフェでは5件中4件で負けた。負けた理由はどれも発注機能。うちのチームは6人で、エンジニアは2人。資金は18か月分。相手のチームは LinkedIn で見ると約40人。相手の資金調達は不明。自社の解約理由はわからない。聞いたことがない。去年インボイスのルールが変わり、カフェから領収書のことを聞かれている。」

**出力:**

```markdown
# 彼を知り己を知る: パントリー帳 対 ストックスタック
**勝負の場:** 関西で1〜3店舗を持つ個人経営のカフェ · **判断:** 今期、発注機能をつくるか · **確認日:** [日付]

## 五事
| 項目 | 自社 | 相手 | 有利 | 出どころ |
|---|---|---|---|---|
| 目的（道） | 1店舗の商談で9件中7件勝ち。解約理由は不明 | レビューがサポートの遅さに不満 | 不明 | [受注・失注]、[レビュー]。[要確認: 自社の解約理由] |
| 時機と条件（天） | カフェからインボイス対応の領収書について聞かれている | 不明 | 不明 | [社内]。[要確認: ストックスタックのインボイス対応] |
| 地形（地） | 1店舗のカフェに強い | 3店舗のカフェに強い | 店舗数で分かれる | [受注・失注] |
| 指導者（将） | 不明 | 不明 | 不明 | [要確認: 両社の判断の実績] |
| 組織の回り方（法） | 6人、エンジニア2人、資金18か月分 | 約40人、資金調達は不明 | 人手は相手 | [社内]、[LinkedIn、未確認] |

## 七計
| この勝負の場での問い | 有利 | 出どころ |
|---|---|---|
| どちらの顧客が人にすすめるか | 不明 | [要確認: 顧客10社に聞く] |
| どちらのチームが顧客に早く答えるか | おそらく自社 | [レビュー]。[要確認: 自社の返信時間の中央値] |
| どちらがよい地を押さえているか | 1店舗では自社、3店舗では相手 | [受注・失注] |
| どちらの手順が書いてあるとおりに回っているか | 不明 | [要確認] |
| どちらの経営資源が大きいか | 相手 | [LinkedIn、未確認] |
| どちらのチームがこの商品をつくる腕が上か | 不明 | [要確認] |
| どちらの評価のしくみが顧客に向いているか | 不明 | [要確認] |

## どれだけ知っているか
有利が不明な項目: 五事 3 / 5、七計 4 / 7
自社の不明点: 解約理由、サポートの返信時間、指導者の実績 · 相手の不明点: インボイス対応、資金調達、指導者の実績
場合: どちらも知らない（思っていたより近い） — 自社の顧客がなぜ離れるかを言えず、相手の側も半分は推測。

## 相手の実と虚
| 相手の点 | 実か虚か | 根拠 | 組み合わせる自社の強み |
|---|---|---|---|
| 仕入れ先への発注機能 | 実 | [サイト]、負けた5件中4件 | まだない |
| サポートの速さ | 虚 | 直近のレビュー20件中6件 | 顧客に近い小さなチーム [要確認: 自社の返信時間] |
| 1店舗のカフェにとっての価格 | 虚 | 4,900円対うちの2,900円 | 安い価格 |
| インボイス対応の領収書 | 不明 | — | 顧客がすでにうちに聞いてくる |

## 戦う所、避ける所、先に調べる所
- **戦う:** 1店舗のカフェ — 相手の価格とサポートの穴が、自社の価格と近さに重なる。9件中7件勝っている地。
- **避ける:** 今期の3店舗のカフェ — 発注機能は相手の実で、エンジニア2人ではすぐには追いつけない。
- **先に調べる:** インボイス対応の領収書 — 攻めどころかもしれないが、ストックスタックがすでに対応しているかわからない。

満たしていない勝ちの条件: 「小さな兵力の使い方を知る」 — 発注機能をつくると、エンジニアの手の大半を相手のいちばん強い地に使ってしまう。

## 先に調べること
| 不明点 | 調べ方 | 担当 | 期日 |
|---|---|---|---|
| 自社の顧客がなぜ解約するか | 直近に解約した8店に電話する | [担当] | [期日] |
| 自社のサポートの返信時間の中央値 | ヘルプデスクから取り出す | [担当] | [期日] |
| ストックスタックのインボイス対応 | 試用アカウントと相手の資料で確かめる | [担当] | [期日] |

## 判断
今期は発注機能で正面から戦うのを避け、1店舗のカフェで価格とサポートで勝負し、先に3つの不明点を調べる。見直しは [日付]。
```

## 送る前のチェック

- [ ] 勝負の場と判断が、それぞれ1文で書いてある。
- [ ] 両社のどの事実にも出どころの印があり、どちらについても作った事実がない。
- [ ] わからない所は「不明」と書き、調べ方を「[要確認: ...]」で添えている。相手の側だけでなく自社の側も。
- [ ] 3つの場合（両方、自分だけ、どちらも知らない）のどれに当たるかと、その理由がある。
- [ ] どの「戦う」も、相手の虚と、根拠のある自社の強みを組み合わせている。
- [ ] 最後に、判断、担当と期日つきの調べる計画、見直しの日がある。
- [ ] 『孫子』の文はどれも、出版された訳ではなく、このスキルでの訳になっている。

## よくある失敗

- 相手だけを調べる。一節の真ん中の場合、自分は知っていて相手を知らないのは五分五分。相手を知っていて自分を知らないのも同じこと。自分を知るのは表の半分。
- 一節を「百戦百勝」と読む。「殆」は危うさを表す字。約束しているのは、読み違えた戦いに巻き込まれないことで、戦わないという選択も含む。
- 不明のマスを印象で埋める。「たぶん相手は遅い」は事実ではない。印をつけて調べる。
- いちばん目立つ機能だからと、相手のいちばん強い所を攻める。水は高い所を回り込む。
- 五事を飾りとして扱う。判断を変えない項目なら、そう1行で書いて先へ進む。
