経営者の考え方

チャーリー・マンガーの「逆から考える」とメンタルモデル

チャーリー・マンガー本人および関係会社とは無関係で、推薦も受けていません。

チャーリー・マンガーは、バークシャー・ハサウェイでウォーレン・バフェットと長く組んだ人物です。よく知られているのが逆から考えることで、難しい問題には「どうすれば確実に失敗するか」から取り組みます。もう 1 つは、1 つの問題をいくつもの分野のモデルで見る格子状のメンタルモデルです。このページでは、マンガーの講演をまとめた Poor Charlie's Almanack(Stripe Press)とバークシャーの株主への手紙をもとに、2 つを自分の計画の見直しに使う方法をまとめます。

要点

  • 逆から考える:難しい問題は逆から解くとよいことが多い。計画が確実に失敗する道を先に挙げます。
  • 死ぬ場所には行かない:どんなに起こりにくくても、耐えられない結果につながることは避けます(1996 年の手紙)。
  • 格子状のモデル:複数の分野のモデルで、同じ問題を見ます。
  • 質が先:まあまあの事業を割安に買うより、すばらしい事業を適正な価格で(2023 年の手紙)。

逆から考える:失敗の道を先に挙げる

Stripe Press の Poor Charlie's Almanack のページは、マンガーの言葉として "Many hard problems are best solved when they are addressed backward. Invert, always invert." を載せています。難しい問題の多くは逆から取り組むとうまく解ける、逆から考えよ、常に逆から、という意味です。実際には、計画がどう成功するかを並べる代わりに、どうすれば確実に失敗するかを具体的に挙げ、計画がその 1 つひとつを避けているかを確かめます。

バフェットの 1996 年の手紙にも、同じ考え方が出てきます。バークシャーは自分たちの将来を逆算するようにしていて、そのときに思い出すのが、自分がどこで死ぬかだけを知りたい、そうすればそこへは行かないから、というマンガーの言葉だと書いています。起こりうる結果のうち耐えられないものがあれば、どれほど起こりにくくても、その行動を避けるといいます。

事業に当てはめるときは、立て直せる失敗と、立て直せない失敗を分けます。銀行の借入で 4 店を一度に出すパン屋のチェーンなら、小麦粉の値引きを失っても立て直せますが、新店が黒字になる前に現金が尽きたら立て直せません。後者は、得られるものと比べて天秤にかけるのではなく、最初から避けます。

格子状のメンタルモデル:複数の分野から見る

同じページには、頭の中にモデルを持ち、自分が直接した経験も人から学んだ経験も、その格子状のモデルの上に並べなければならない、というマンガーの言葉もあります。大事なのは幅です。お金の面では問題のない計画でも、インセンティブ(それぞれの選択で誰が得をするか)、過去の似た計画がうまくいった割合、最初の変化のあとに起きる変化、といった別のモデルで見ると、違う姿が見えます。どのモデルを使うかは、そのつど選びます。出典に決まったリストはありません。

すばらしい事業を、適正な価格で

マンガーが亡くなったあとに書かれたバフェットの 2023 年の手紙は、1965 年のマンガーの助言を紹介しています。バークシャーを手にしたいま、すばらしい事業を適正な価格で買い足し、まあまあの事業をすばらしい(割安な)価格で買うのはやめるように、という助言です。バフェットは、何度も後戻りしながらもその指示に従ったと書いています。何かを買う判断なら、逆から問うのは「よいものを適正な値段で買おうとしているのか、それとも割安に見えるだけの、そこそこのものを買おうとしているのか」です。

自分の計画に当てはめる手順

  1. 目標を 1 行で書きます。何を、いつまでに、何で測るか。
  2. 逆にします。確実に失敗させる方法を、仕組みつきで 8〜12 個挙げます。
  3. 立て直せない失敗に印をつけ、それぞれに近づかないためのルールを書きます。
  4. 失敗ごとに、計画がそれを避けているか、一部だけか、むしろ向かっているかを確かめます。
  5. 違う分野のモデルを 3〜5 個選んで計画を読み直し、それぞれで何が見えたかを書きます。
  6. 立て直せない失敗をなくす変更から先に計画を直し、変更ごとに担当者を決めます。

出典にあること、ないこと

マンガーの 2 つの言葉は Stripe Press の Poor Charlie's Almanack のページから、1996 年の言葉と 1965 年の助言は、バフェットが手紙に書いたものから取っています。人間の誤判断の心理についての講演など、マンガーの長い講演は本に収められていますが、本文をネットで確かめられなかったため、ここではまとめていません。下のスキルにあるモデルのリストも、私たちが選んだものです。

よくある質問

「invert, always invert(逆から考えよ、常に逆から)」とはどういう意味ですか?

難しい問題は、逆から取り組むとうまく解けることが多い、という考え方です。計画がどう成功するかではなく、どうすれば確実に失敗するかを挙げ、計画がそれを避けているかを確かめます。

マンガーの「格子状のメンタルモデル」とは?

頭の中にいくつものモデルを持ち、自分の経験も人から学んだことも、その格子の上に並べて考える、という考え方です。1 つの問題を、1 つの分野ではなく複数の分野から見ます。

マンガーはバフェットに、どんな助言をしたのですか?

バフェットの 2023 年の手紙によると、1965 年にマンガーは、すばらしい事業を適正な価格で買い足し、まあまあの事業をすばらしい(割安な)価格で買うのはやめるよう助言しました。

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下のスキルは、ここで紹介した原則を、あなたの計画・数字・判断に当てはめる手順にしたものです。出典のある原則に照らして見直すもので、本人になりきって話すものではありません。スキルの指示は英語ですが、日本語で頼めば日本語で答えます。

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出典

  1. Poor Charlie's Almanack(Stripe Press、英語) — 逆から考えることと、格子状のモデルについてのマンガーの言葉 (閲覧 2026-11-04)
  2. Berkshire Hathaway 1996 年の株主への手紙(英語) — 自分がどこで死ぬかを知りたい、そこへは行かないから、というマンガーの言葉 (閲覧 2026-11-04)
  3. Berkshire Hathaway 2023 年の株主への手紙(英語、PDF) — 1965 年のマンガーの助言:すばらしい事業を適正な価格で (閲覧 2026-11-04)