ガイド
中小企業の経理 AI ツールを比べる
中小企業の経理で AI が働く場所は、大きく 2 つです。1 つは会計ソフトの中。freee会計とマネーフォワード クラウド会計は AI による領収書や請求書の読み取りと仕訳の補助、弥生会計 Next は取引データの自動取得と AI による帳簿付けの支援で、記帳の手間を減らすと各社が説明しています。もう 1 つは ChatGPT Business や Claude Team のような汎用の AI アシスタントで、数字のまわりの説明や文章を書きますが、帳簿には記帳しません。まずは、いまの会計ソフトに入っている機能から始めます。プランと料金はよく変わるので、このページでは料金を載せず、各社の料金ページにリンクしています。
要点
- 帳簿の中:いま使っている会計ソフト自身の AI。
- 数字のまわり:法人プランの汎用 AI アシスタント。
- 根拠:各社のページに書かれている機能だけ。
- 料金:各社のページで。確認した日付つきで下にリンクしています。
それぞれ何をするか
| ツール | 各社が説明している AI 機能 | 条件など | 料金 |
|---|---|---|---|
| freee会計(中小企業向け) | AI-OCR で仕訳(書類をアップすると AI が読み取って自動仕訳)、仕訳学習機能(自動仕訳ルールや過去の仕訳をもとに AI が補助)、AI による明細取得、固定資産登録の入力補助(資産分類と償却方法の推測) | 話しかけて作業させる「AI業務実行」には、AI Agent の実行環境と有償契約が別に必要とページに注記。AI から freee を使う仕組みを自社で作る「freee-mcp」の案内もある(別途、生成 AI サービスの契約が必要) | freee会計の料金プラン(2026 年 11 月 5 日時点) |
| マネーフォワード クラウド会計 | AI-OCR(ファイルをアップロードするだけで AI が仕訳を作成)、仕訳の自動化(AI が勘定科目を提案し、使うほど精度が上がる) | AI 機能の一覧ページに対象プランの記載はない。同じページの「マネーフォワード クラウド 会計 for GPT」は ChatGPT のカスタム GPT で、OpenAI はカスタム GPT を 2026 年 12 月 11 日に終了予定。後継は MF の案内なし(2026 年 11 月 5 日時点。GPTs の終了も参照)。別に、Claude Desktop、Claude Code、Cursor、Gemini CLI などから会計データを扱う MCP サーバーを 2026 年 3 月 26 日から提供(プランによっては対象外。つなぐ前に AI 側のデータ収集をオフにするよう MF は案内) | マネーフォワード クラウドの料金プラン(2026 年 11 月 5 日時点) |
| 弥生会計 Next | 仕訳・記帳の自動化(取引データを自動取得し、AI が帳簿付けをサポート)、経営分析 AI(AI が資金繰りを予測)、料金ページのプラン表に「OCR(AIによる証憑自動読み取り機能)」 | 機能ページに対象プランの記載はない。メニューの「AI取引入力」は、ページに説明がないため数えていない | 弥生会計 Next の料金プラン(2026 年 11 月 5 日時点) |
| 汎用の AI アシスタント(ChatGPT Business、Claude Team) | 差異の説明、メモや文書の下書き、チェックリストの確認。法人プランは初期設定でデータを学習に使わない | 別のアプリ。帳簿には記帳しない | ChatGPT の料金とClaude の料金(2026 年 11 月 5 日時点) |
各社の機能・料金のページ(2026 年 11 月 5 日に確認)に書かれていることだけにもとづきます。ページに説明のない機能や、提供状況のわからない機能は数えていません。英語版では、米国の QuickBooks、Xero、Excel の Copilot を比べています。
例:従業員 20 人の会社が選んだもの
架空の例です。マネーフォワード クラウド会計を使う従業員 20 人の工務店で、経理は佐々木さん 1 人と顧問税理士です。佐々木さんは毎月時間がかかっている作業を書き出し、先に決めた 3 つの基準(減る時間、だれが結果をチェックするか、いまの契約に入っているか)で選択肢を採点します。
- 領収書と請求書の入力:AI-OCR が候補。自社のプランで使えるか、追加の費用がかかるかを料金ページで確かめる。
- 銀行明細の仕訳:すでに使っている仕訳の自動化(勘定科目の提案)でまかなえる。よく直す取引にはルールを足す。変更なし。
- 社長向けの毎月の説明メモ:会社の Claude Team アカウントで、しきい値と書式をスキルにして使う。数字は会計ソフトの試算表から貼り、メモの数字は佐々木さんが照らし合わせる。
比較表には、各選択肢の 2 年間の費用を各社の最新ページから入れ、各社の宣伝だけにもとづく主張には「未確認」と印をつけます。佐々木さんは AI-OCR を 1 四半期だけ試し、減った時間を測ることを勧めました。仕訳の最終確認は、これまでどおり顧問税理士です。
選び方
- その月の経理の作業を書き出し、それぞれにかかる時間を書く。
- いまの会計ソフトとプランに何が入っているかを、各社の機能と料金のページで確かめる。
- 比べる前に基準を決める:減る時間、だれがチェックするか、データのルール、費用。
- 料金は、その日の各社のページで調べる。ブログの数字は使わない。
- 新しい機能は 1 四半期だけ試し、減った時間を測る。
どれを選んでも、顧客と会社のデータには同じルールがあります。経理で顧客データと AI を扱うルールを参照してください。文章の作業については経理向けの Claude スキルで。
このテーマに使えるスキル
- 業務管理・総務重みつき採点でのベンダー比較先に合意した重みつきの基準で2〜5社のベンダーを比べる。必須条件、証拠にもとづく点数、総コスト、リスク、そして1社の推奨。
- 財務・経理SaaS コストの見直しSaaS の契約を見直す。担当者、契約席数と利用席数、重なるツール、更新日と通知期限を整理し、解約・ダウングレード・継続を削減額つきで判断する。
- 財務・経理予実差異メモ基準を超えた予実差異について、有利か不利か、要因(期ずれ、数量、単価、一過性)、通期見通しへの影響を説明する。
- 財務・経理月次決算チェックリスト小さな会社の月次決算チェックリストを作る。照合、未払計上、前受収益、給与、レビューまでを、担当者と月末からの営業日つきで並べる。
よくある質問
中小企業の経理に使える AI ツールは?
まず、いま使っている会計ソフト自身の AI です。freee会計とマネーフォワード クラウド会計は AI による書類の読み取りと仕訳の補助、弥生会計 Next は取引データの自動取得と AI による帳簿付けの支援で、記帳の手間を減らすと各社が説明しています。数字のまわりの説明や文章には、法人プランの汎用 AI アシスタントを使います。
freee、マネーフォワード、弥生の AI 機能の違いは?
各社の機能ページ(2026 年 11 月 5 日に確認)では、freee会計は AI-OCR での仕訳、仕訳学習、AI による明細取得、固定資産の入力補助、マネーフォワード クラウド会計は AI-OCR と勘定科目の提案、弥生会計 Next は AI による帳簿付けの支援と資金繰りの予測(料金ページのプラン表には AI による証憑の読み取りも)を挙げています。対象プランは各社のページで確かめてください。
ChatGPT で記帳はできる?
説明、下書き、チェックには、データを学習に使わない会社のアカウントで使えます。ただし ChatGPT 自体は帳簿に記帳しません。分類や記帳は会計ソフトの中で、本物の帳簿に対して AI を使うのが筋です。
AI スキル
AI に、自社の基準でベンダーを比較させる
このスキルを AI Skill Pod に入れれば、チーム全員が自分の Claude、Cursor、ChatGPT(Pro・Business・Enterprise)で使えます。招待リンク 1 つで共有でき、無料で始められます。AI のためにプランや製品を替える前に、「重みつき採点でのベンダー比較」スキルで、AI がこれらの選択肢を自社の基準(手作業がどれだけ減るか、だれがチェックするか など)で採点し、各社の最新ページから契約期間全体の費用を並べます。
14日間無料・カード不要
出典
- freee会計(中小企業向け)の機能 — AI-OCR で仕訳、仕訳学習機能、AI による明細取得、固定資産登録の入力補助。自然言語で指示する「AI業務実行」は、AI Agent の実行環境と有償契約が別に必要と注記 (閲覧 2026-11-05)
- freee会計:法人向け会計料金プラン (閲覧 2026-11-05)
- freee会計 × AI — 自社で仕組みを作る「freee-mcp」。別途、生成 AI サービスの契約が必要 (閲覧 2026-11-05)
- マネーフォワード クラウド会計の機能 — AI-OCR(ファイルをアップロードするだけで AI が仕訳を作成)、仕訳の自動化(AI が勘定科目を提案、使うほど精度が向上) (閲覧 2026-11-05)
- マネーフォワード クラウド:AI 機能の一覧 — マネーフォワード クラウド 会計 for GPT:会計データと ChatGPT を連携し、指示に基づいてレポート作成や改善提案。ページに日付、提供状況、プランの記載はなく、後継の案内もない (閲覧 2026-11-05)
- OpenAI ヘルプ:Custom GPT retirement and migration FAQ — カスタム GPT は 2026 年 12 月 11 日に終了予定。ページは自動取得を拒むため、検索結果の本文で確認 (閲覧 2026-11-05)
- マネーフォワード クラウド会計:API と MCP サーバーの提供開始のお知らせ(2026 年 3 月 26 日) — 外部のシステムから情報の取得や仕訳の登録ができる。GPT の後継とはしていない (閲覧 2026-11-05)
- マネーフォワード クラウド会計 MCP サーバー — Claude Desktop、Claude Code、Claude Cowork、Cursor、Gemini CLI などで、仕訳や残高試算表の取得、仕訳の作成・更新。プランによっては対象外 (閲覧 2026-11-05)
- マネーフォワード クラウド:価格・料金プラン (閲覧 2026-11-05)
- 弥生会計 Next の機能 — 仕訳・記帳の自動化(取引データを自動取得し、AI が帳簿付けをサポート)、経営分析 AI(AI が資金繰りを予測)。メニューの「AI取引入力」には説明がない (閲覧 2026-11-05)
- 弥生会計 Next:料金プラン・価格 — プラン表に「OCR(AIによる証憑自動読み取り機能)」 (閲覧 2026-11-05)
- Claude の料金 — Team と Enterprise:初期設定でモデルの学習に使わない (閲覧 2026-11-05)
- ChatGPT の料金 — Business:初期設定で業務データを学習に使わない (閲覧 2026-11-05)
- Anthropic プライバシーセンター:商用プラン — 初期設定で学習に使わない (閲覧 2026-11-05)